信頼を構築するための対話(チェックイン・アウトへの想い)
- 眞蔵修平

- 8月20日
- 読了時間: 6分
更新日:8月21日
レッスン中に生徒が何かしら問題行動を起こした時や、保護者さんとのLINEの中で、「これは会って話さないと誤解が生じそうだな」と感じた時に、運営から保護者さんに「一度会って対話しましょう」とお声がけすることがあります。
保護者さんからすると、普段、運営から呼び出される機会は、ほとんどないので、中にはびっくりして「運営から怒られるんじゃないか」とか「運営と揉めたくないな」と思われる方もいらっしゃるようです。
運営からすると、その時点でかなり誤解が生じている状態なので、私たち(講師含む)が「対話」という言葉を使うときに、「こういう意味で使っていますよ」ということを今一度、ご説明させてください。
まずはじめに、明言しておかなければならないのは、私たちは、保護者さんや生徒さんのことを責めたり、一方的にこちらの教育理念を押し付けるつもりはありません。教育について一緒に悩み、今後も関係性を深めていくために「対話」というコミュニケーションスタイルを使います。
コミュニケーションは、大きく「議論」「対話」「雑談」の3つのスタイルにわけられます。下の図を参照してください。

まずは「議論」について。
議論とは、裁判で有罪か無罪かを争う場面や、政治家が法案を通すか、通さないかといった場面で使われるスタイルで、複数の選択肢から、何か一つのことを決めなければならないときに使われます。
テーマ性は高いのですが、結論を一つに決めなければならないので、参加者も必死になり、緊張感の高いコミュニケーションとなります。「私はこう思う」「あなたは間違っている」といったコミュニケーションになりやすく、主語は「私」あるいは「あなた」になりやすいです。
次に、「議論」と対極にある「雑談」について。 雑談とは、「今日、スーパーに行ったらネギが安かったのよ」といった何気ない日常会話のことを指します。特に着地点はなく、話の内容も流れるように変化していきます。どちらかというと話し手が話したいから発生する会話なので、主語は「私」になりやすいです。テーマ性はほとんどなく、リラックスしたコミュニケーションとなります。
最後に「対話」ですが、「議論」と「雑談」のいいところ取りをしたようなコミュニケーションです。「少し深いテーマについて、お互いリラックスした状態で話しましょう」という前提の上で行われます。どちらかの意見を採用するのではなく、お互いの考え方や価値観の違いを尊重した上で、「私たちはどうするか」ということについて一緒に悩み、考えていきます。主語は「私」ではなく、「あなた」でもなく、「私たち」。
テーマにもよりますが、相反する意見の中から、何かしら結論を出さなければならない場面でも、可能な限り「第3の意見」を模索します。
世の中のコミュニケーションのほとんどは、議論と雑談なので、「自分の意見で相手を言い負かす」か、「揉めたくないので黙っていよう」のどちらかになってしまいがちです。
そうではなく、「お互いの背景に配慮しながら、言葉を選び、自分の考え方を丁寧に話す」という選択肢もあるはずです。
生徒が何かしら問題行動を起こしたとしても、私たち運営は、ご家庭の教育方針を否定するつもりはありません。
とはいえ、ご家庭と同じく、教室にも大切にしている教育方針・理念があります。
お互いがお互いに大切にしているものを、丁寧に開示し合い、お子さんのために一緒に悩んでいける音楽教室でありたいと思っています。
また、子ども達にも、こういった対話の大切さを、伝えていければいいと思っています。 普段から対話できる環境にいる子は、困ったときに周囲に相談する能力が身につきやすく、いじめの早期発見にもつながります。 質問力もアップするので、学力向上や、習い事のスキル習得にも大きく影響します。
チェックイン・チェックアウト(※)は対話の入口としてとても重要な「自己開示」を練習する場でもありますし、保護者さんにも、チェックイン・チェックアウトをおすすめしてるのは、ちゃんと大人が自己開示してコミュニケーションをとっている姿を見せてあげてほしいという想いがあるからです。家庭内でも対話を通して、信頼関係を構築してほしいという想いがあるからです。
生徒さん・保護者さんのみならず、講師や運営等、この教室に関わる全ての人にとって、居心地のいい関係性を築くためにも、ご理解ご協力のほど、よろしくお願いします。
最後に。
当教室の看板は、この「対話のある教室にしたい」という思いを反映しています。
私は職業上、様々な利害関係者と対話する機会がたくさんあるのですが、都度、無数にあるアイデアや想いを付箋に書き、壁に貼って整理するという工程を踏んでいます。
教室を良くするためのいろんなアイデアが、運営はもちろん、生徒、保護者さん、講師からたくさん出てきて、付箋が壁を覆い尽くすような、そんな願いを込めて、付箋をモチーフにしたデザインとなっています。

※ご入会前の方へ チェックイン・チェックアウトとは、レッスンが双方向的なものになるように、レッスン前後で行っている簡単なワークの名称です。詳細は入会後にご案内します。
<著者プロフィール>
眞蔵 修平(まくらしゅうへい)
株式会社Lennon's Loupe 代表取締役CEO / 教育プロデューサー / 学習環境デザイナー / メンタルコーチ / 平本式認定心理カウンセラー 【プロ】
立命館大学理工学部卒業後、公立中学校に赴任。様々な教育問題に直面し、外側から教育現場を変えることを決意。2015年より、教育系企業と関わりながら、自身の創作活動やコーチングスキルを教育現場と結びつける活動を開始。
多様性を認め、誰も苦しまなくていい環境、誰もがのびのびと生きていける環境を、教育現場を超えて提案していきたい。詳細はコチラ。
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豊かな人間性と創造力をぐんぐん伸ばす!教育特化型ミュージカル教室「Elephant Eggs」を運営しています。ミュージカルの技術を学びながら、教育プロデューサーと共に、"幸せを創れる人”を育てる教室です。詳細はコチラ。
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